文化通訳家という職業があるらしいです。いったい、どんな仕事をするのでしょうか? 英語はずっと勉強してきたので、もしかしたら英語力があればこの仕事ができるのかしら?
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「文化通訳家」というシゴト
今回は、「文化通訳家」という職業をご紹介します!
どんな職業かと言うと「文化を通訳する人」です。
え、そのまんまでしょ????
そうなんです。
文化を通訳、翻訳するおシゴトです。
この職業が生まれた背景について、次の章でお伝えします。
「文化通訳家」ネルソン・バビンコイさん

ネルソンさんこそが、文化通訳家の発祥です。
現在は、米津玄師の英訳、SEKAINOOWARIやTHE BAWDIESの英語歌詞の提供や英語プロデュースをされています。
ネルソン・バビンコイ(Nelson Babin-Coy)さんのプロフィール
アメリカ・カリフォルニア州バーバンク出身。カリフォルニア大学バークレー校の東アジア言語・日本語学科を卒業。在学中に慶應義塾大学に1年間留学し、日本語能力検定N1 (1級)を取得。2007年に再来日し、音楽、芸能活動を始める。18年に永住権を取得。現在はSEKAI NO OWARIやTHE BAWDIESなど、日本のミュージシャンの英語歌詞の提供や英語プロデュースを手がけるほか、ラジオパーソナリティやYouTubeクリエイターなどさまざまな分野で活躍している。
引用元:アルク EJ新書
著書に『J-POPを英語で届ける「文化通訳家」のしごと』
ネルソンさんは、新しい自分だけの職業探求の末に見つけた「文化通訳家」です。
英語力だけではないコトバの裏にある世界を伝える

皆さんもご存知のように、英語と日本語はそれぞれが持ってるコトバの性質が全然違います。
例えば、日本語は文脈(context)が高い言語ですので、主語を省いても伝わります。
一方で、英語はどうでしょうか?
常に「誰は/誰が」は重要で、主語を省くことはできません。
このように、対訳には限界あり直訳をしてしまうと、伝えたい核となるメッセージが伝わらなくなってしまいます。
そこで意訳が必要となります。
ネルソンさんは以下のように著書で語っています。
新しい、自分だけの職業探究へ
ぴったりな肩書を付けるため、まずは自分がしている仕事の内容を、具体的に分析してみました。
僕が翻訳に取り組んでいる日本語の歌というものは、いい意味で抽象的で、主語が曖昧な歌詞が多いのです。解釈はリスナーの想像に任せるのが美徳だと言われているし、日本語ではまさにそのとおりだと僕も思います。短歌や俳句も同じく、直訳してしまうと、たいてい意味不明になってしまうので、意訳も必要とされます。そして、クオリティーの高い意訳をするためには、言葉そのものだけではなく文化背景を深く理解する必要もあります。
歌詞などのアート作品を英語に訳す作業は、ある意味、日本の文化を通訳しているような仕事だなと考えていたら、「文化通訳」という言葉が降りてきました。
ネルソン・バビンコイ、文化通訳家。ドンピシャ。
引用元:J-POPを英語で届ける「文化通訳家」のしごと アルクEJ新書
「文化通訳」はコトバを超えた文化の架け橋

文化通訳は本当に奥が深いシゴトですね。
私もITの外資系企業に勤務していた時は、本社からの英語の資料や映像を翻訳していました。
直訳でいける表現は少なく大半は意訳をしない限り、自然な日本語になりません。
人はコトバによって、心を揺さぶられ泣いたり笑ったり感情が湧き出てきます。
そう考えると、英語力を活かして仕事がしたいと考えている人にとって、すてきなおシゴトだと思います。
職業として読み手や聞き手をうならせる通訳や翻訳ができたなら、これこそが「文化の架け橋」です。
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